Keywords

Foolishness(おバカ)

 「The Uplift Mofo Party Plan」に収められている「Fight Like A Brave」。あの曲のヴィデオクリップを見たことがあるだろうか。ぼくはRHCPのクリップの中で、今でもあれがいちばん好きな気がする。

 議会の委員会のようなところで堅物のお偉方に説教したり、インディアンと一緒に踊り狂ったりする楽しいビデオで、メンバーの、かなり「素」の顔が見られるし、あの頃のRHCPの雰囲気がかいま見られてすごく好きなのだ。

 この頃はさすがになくなったが、初期のRHCPには確かに「おバカ」なイメージがあったし、ぼくがこのバンドを好きになった最大の理由のひとつでもある。一時パール・ジャムに在籍していたらしい、元ドラマーのジャック・アイアンズ。彼のキャラクターもすごく好きだった。もちろん本当は違うのだが、見た目はいかにも「頭の悪い白人」という感じで、以前バンドが出てた何かの番組で、彼が象の鼻のような形状のおもちゃを鼻につけて、他のメンバーが話している間中後ろでずーっとその鼻をぶらぶらぶら…と振っているのだ。死ぬほどおかしかった。キャラ的に、彼がバンドを離れてしまったのは実に惜しい。

 これもブートで見たのだが、ドイツの音楽番組にバンドが出演した時のこと、ヒレルがインタヴューに答えているうちに興奮してきて、机をバンバンと握り拳で叩きながら、ドイツ風のイントネーションを真似て熱弁し出した。すると他のメンバーもいっせいにバンバン…と机を叩き出すのだ。ぼくはバンドのこういうところがすごく好きだ。

 彼らがこのような「おバカ」を演じるとき、そこには常に「自己批判」の姿勢が見てとれるように思う。白人至上主義への批判、ネイティヴアメリカンへの憧憬などから考えるに、「おバカ」な白人を演じきることによって自己に対する嫌悪感を吐露する、といった作用があったように思える。彼らはよく裸になったが、はっきりいって白人のケツは黒人のそれと違って、カッコ悪い。彼らがステージで裸になり、自らの白いケツをさらして一種の変態フリークショウとして提示するとき、それは複雑にねじくれた彼らの自己嫌悪感の表出だととらえることができるのだ。

 しかし、違う見方をすればこうした彼らの自己嫌悪感の表出は、自らを守るため緻密に計算された「戦法」と言えなくもない。そして、それはかなりスマートで強力な戦法だったと言える。「おバカ」も、初期RHCPが色んな手法を通じて行った(行わざるを得なかった)「武装」の一環だったととらえることができるのではないだろうか。

個別リンク:http://www.mine-d.com/article/archives/2004/06/foolishness.html|