Pick-Up Tunes
Gong Li(CAL session)
RHCPには「アルバムに入っていない名曲」がかなりある。この傾向は特に「BSSM」以降強くなったようだが、セッションで録音はしたが、あえてアルバムには収録しなかった曲…代表的なものとしては「Soul to Squeeze」(BSSM)などがある。この曲などは、アルバムに収録されていれば間違いなくキーとなっていただろう…それくらいいい曲なのだが、なぜ収録しなかったのかはバンドやプロデューサー側にも色々考えがあるだろうから、それに対してどうこう言うつもりはない。ただ、ファンとしてはアルバムだけでなく、付随してリリースされるシングルまでもきっちりフォローしておかなければならないので、なかなか大変ではある。うっかりしていると名曲を聴き逃してしまうことになる。ぼくがこの「Gong Li」を聴き逃していたように。
アルバム「Californication」は買ったが、アルバムからカットされていくシングルをひとつも購入しなかったので、当初この曲や「How Strong」「Instrumental...」などの曲は…その存在を知ってはいても、実際に聴いたことはなかった。その後1年以上経ってから聴くことになったのだが、自分がシングルを買い求めなかった事を、激しく後悔した。この曲は、上で紹介した「Soul to Squeeze」に匹敵するくらいの名曲じゃないか、まったく…。
リズムマシーンとギター、ベースによる印象深いパートで始まるこの曲。変拍子というのか、ある意味実験的で、実に奇妙なフレイズが繰り返される。その後、いきなりアンソニーのヴォーカルが入ってきてメインのメロディが始まるのだが、これが実に「泣かせる」節回しなのだ。これほどストレイトにナイーヴィティを表現した曲は、他には見あたらない気がする。逆にここまでナイーヴなメロディだと、ともすれば情緒に流れてしまう危険性があると思うのだが、先に挙げた変拍子パートの存在が、曲全体に絶妙なバランスを与えているように感じる。
アンソニーの歌詞世界も、相当高いレヴェルにあると言える。使われている単語は簡単なものばかりだし、文章自体もシンプルそのものだが、その意味は簡単には理解できない。それはまるで、聴き手に意味の解釈をゆだねるているような、実に広がりのある歌世界だと言える。
まあ好みもあるだろうが、この曲は本当に「直球ど真ん中!」といった感じで、初めて聴いた瞬間に好きになった。これが「Californication」に収録されていたら、アルバム自体の性格がガラッと変わっていただろうと思う。「CAL」に入っているバラードより、断然こっちの方が好きだ。いずれにせよ、いつもとは言わない、たまにでいいからこういうホロっとくるようなメロウな曲を作ってほしい、真剣にそう願っている。
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