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The Fights Go On
RHCPは、(2000年)9月いっぱいで「Californication」発表後の、長いツアーをすべて終えた。まずは「お疲れさま」と言いたい。メンバーはこの後休みを取ると思うが、その後はニューアルバムのレコーディングに入るという情報が伝わってきている。一刻も早く新作を聴きたい、というのがファンの心情だろう。ぼくも今から楽しみにしているのだが、次作について、また、これからのバンドの方向性について、ぼくなりに考えることがあるので、書いてみることにする。
先頃、アルバムからの第4弾シングルとして「Californication」がカットアウトされた。最初は「シングルカットだし」と軽視して買い求めることをしなかったのだが、ヴュウワーのアルさんから指摘を受けて聴いてみた。「Californication」自体はアルバムと同ヴァージョンだし、特にどうということはないのだが、カップリングされている2種類のライヴ音源「End of show」、これが非常に印象に残った。
アルバム「Californication」の音世界とはまた違うし、今までバンドが作ってきたどの音とも違う。ひたすらダークで、内向的。全体的な手触りとしては、実に「ハード」なのだ。特徴的なのはジョンのギターとアンソニーのヴォーカルで、ジョンはハウリングを多用したクレイジーなプレイ、アンソニーの歌は「Transcending」で見られたような、エモーショナルなシャウトが耳につく。アルバム「Californication」の、せつなくて、どこかやさしい音とは違い、なんというか「闘っている」音、といった印象を受ける。
ファンの方はご存知だと思うが、この夏、フロントの3人が、髪型を同時にモヒカンに統一した。最初に公式サイトでステージの写真を見たときは、かなり驚いた。ジョンは加入当時モヒカンにしていたし、フリーはモヒカンを含めてしょっちゅうヘアスタイルを変えるので、特に驚くこともない。しかしアンソニーがモヒカンにするのはデヴューしてからは初めてだ(デヴューする以前にはモヒカンだったことがあるようだ。"サユリモドキ"さんのサイト「HILLEL HILLEL HILLEL」に写真がある)。それに、バンドのうち3人が髪型を統一する、ということは、RHCPの歴史上、なかったことで、昨年の「ウッドストック」でのバラバラの姿―アンソニーはYシャツにネクタイ、ジョンは長袖TシャツにGパン、フリーは全裸―とは対照的だ。このことを通しても、バンドが「闘っている」という感じを強く持つ。なにか、ネイティヴ・アメリカンの部族が、これから困難な戦いに出るに際し結束を固めているような…そんな印象を受けるのだ。
ぼくは「Californication」のアルバムレヴューに、バンドが「敗北宣言」をした、と書いたが、バンドにとって、次のアルバムをどう作るか、またこれからのバンド自体の方向性をどう持っていくか、というのは相当むつかしい問題だと思う。もちろんぼくには想像がつかないが、ただアルバム「Californication」で示された「枯れた」音世界を、さらに発展させたものになるだろう、という気がしていた。「もう、あえて闘う必要はないんだ」と。
だけど、「End of show」の音源、またモヒカン姿を通じて、バンドはこんなメッセージを発しているように感じてならない。「まだ闘いは終わっていないのだ」と。そのことを考えると、そわそわして、いてもたってもいられないような気分になってくる。あるいは次作が出た時点で、ぼくはアルバム「Californication」に対する認識を大きく修正しなければならないかもしれない。
もちろん、未だレコーディングにも入っていない段階でこういうことを言うのは時期尚早だということは分かっている。しかし、次のアルバムはバンドにとって、ものすごく重要な意味を持つことだけは間違いないだろう。バンドの音楽性の変化、複雑化しすぎたロックシーン、闘い続けるか否か、また年齢的な問題も含めて、これからRHCPが音楽を続けていく上で、その存在自体を賭けた1枚になる…こういうと言い過ぎだろうか。
バンドが「闘う」姿勢を見せていることで、ぼくはますます次作が楽しみになってきた。ぼくの想像を超えるような、すばらしい音が聴けることを、今から期待しているのだ。
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