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The meaning of "Californication"
「極私的アルバムレヴュー」「Californication」の記述の中で、ぼくは「タイトルの『Californication』とは、単純に考えて『California』と『Mass-communication』をくっつけた造語だと見られる」と書いていて、それは最初この言葉を目にしたときから直感的にそう思っていたので特に気にも留めていなかったのだが、先日「活ヒゲ」経由で訪問していただいたTacumaruさんという方から、以下のような指摘をいただいた。
Californicationのレヴューを読みました。
文中の
タイトルの「Californication」とは、単純に考えて「California」と「Mass-communication」
をくっつけた造語だと見られる。いわば「カリフォルニア的マスコミュニケーション」とでも言えばいいのか。
が気になりました。
私の推測するところ、正確に言えば私のアメリカ留学時代のルームメイトの推測によれば、California と fornicate の造語ではないか、ということです。
fornicateを辞書で引くと「私通(密通)する」とあり、2つ目の意味として姦淫「不道徳な肉体関係を持つこと」があります。 おもに聖書のなかの言葉です。
ネイティブの間の俗語としてニュアンス的には「ヤッちまう」というとこでしょうか。頻繁に使われる言葉ではないようですが。
レッチリらしい単語選びという気がします。
あくまで推測にすぎません。
なんという事だ。この語句の解釈が違えば、あのレヴューや「キーワード」の「Hollywood,California」に記述した事にも支障を来す。すわ全面改訂か?これはいかんと、さっそくこのアルバムが発表された当時の雑誌インタヴューを当たろうとしたのだが、自慢じゃないがこの10年、ロック雑誌の類は買ったことがない。当時のインタヴューは立ち読みしてたのでなんとなく内容は覚えてるし、レヴューを書く際参考にもしたのだが、「Californication」の意味についてアンソニー・キーディスがどんな事を言っていたのか、思い出せないのだ。
「困ったときのB坊さん頼み」という感じで、何かとお世話になってるB坊さん(Fragile Guitarist)に連絡をとって、「当時のインタヴューを調べられたし」とお願いした。するときっちり調べた上にすばらしいコメントまで添えて返事をいただいたので、そのまま掲載させていただく。
さて「Californication」。
リリース時には嫌と言うほど意味を尋ねられたと思われますが、アンソニーは意外に もいつも同じ答えを返しています。彼やミック・ジャガーのような切れ者カリスマフロントマンタイプは、けっこうその時々で答えを変えたり煙に巻いたりするものですが、これに関してはほぼ一貫した回答をしているので、言葉通りに受け取って間違いないのではないでしょうか。
では以下にアンソニーのインタビューを引用します。参考にして下さい。
CROSS BEAT
「え〜、これは新語でありまして…。まず第一には、それぞれが勝手に好きなよう に意味づければいいよ。どうせ新語なんだから、みんな好き勝手に定義づければいいんじゃない?俺にとって“カリフォルニケイション”ってのは、カリフォルニアのカ ルチャーが世界に対して良くも悪くもいかに強力に意味深く影響を与えているかってことのプロセスなんだ。それは否定しようのない影響で、世界中どこの国に行っても、 俺の街が、そして俺の州がどれだけ人々に影響を与えているかを実感するんだよ。それがいいこともあれば悪いこともあるんだけど、いずれにせよそいつは強力なのさ。 だからそういうイメージとかアイデアを書き始めて…実際のところ、この歌は“死んでる”ことを歌ってるんだ。」
Rockin' On
「まぁ自分で作った造語だからみんなが勝手に意味を与えてくれればそれでいいんだけど、とりあえず俺にとっては、カリフォルニアで生まれたカルチャー、ライフスタイル、アートが世界にどう作用するかっていう意味の言葉なんだ。映画、音楽、スタイル、化粧品のトレンドとなんでもいいものも悪いものも全部ひっくるめた上でのね。実際世界各地に相当の影響力を及ぼしている印象はあるからね。つまりものすご い奥地や僻地でも、カリフォルニアがどういう土地なのかっていうイメージが浸透し ているから、俺はそういう意味合いで使っているんだけど、この言葉を違った意味で どんどん解釈してもらってもそれは構わないことなんだ。」
「この曲でカートに触れているのはカートが死んだからじゃなくて、カートの精神、 カートの人生、その作用を問題にしているとかね。あるいは今じゃ草場の陰にいるカートに挨拶を交わすようなものでもあるんだ。そしてあれだけ才能の傑出した人間も、 やはりカリフォルニアからの影響は免れ得ないって話しなんだよ。そういう奇妙で薄気味悪いもんがこの西海岸にはあるってことなんだ。」
ちなみに以下は94年のインタビュー
「去年の初め、俺はボルネオとインドネシアに行ったんだ。どっちも今まで行ったことのない場所だった。ジャカルタで水上マーケットに行ったら、ありとあらゆるスパイスや布地なんかを売っている中に、印刷も粗悪なメタリカとガンズ&ローゼズと俺達のTシャツがあった。ああいう状況のああいう文化圏の中にあって自分のグループの名前を目にするというのはホント驚きだったよ。ボロボロのペッパーズTシャツを着たおっさんが地べたに寝そべって、パイプでアヘン吸ってんだぜ。そのTシャツを売っている男ですら、明らかに俺が誰だかさっぱりわかってないんだから、余計に奇妙だよな。」
アンソニーはこの体験が余程強烈に印象に残ったとみえますね。
私はこれの印象があったからか、「Californication」と聞いた時、かなり単純に「California」プラス「location」と思いました。世界のいろいろな場所のカリフォルニア化という意味で。
歌詞を見た後は、羅列されている「〜tion」という言葉すべての意味を含んでいるんだなと解釈しておりますが。
ROのインタビューを見るとmine-Dさんの「Mass-communication」という解釈はまさにどんピシャリですよね。
インタビューを読む限りでは判断しづらいところですが、「fornication」をアンソニーが意識したかどうかというと「否」ではないかという気がします。でも独自の文化を持つ国や地域が西海岸文化に毒されて、簡単に異文化を受け入れている様は「姦淫」と取れなくもないわけだし、すごく興味深い指摘ですよね。あと「fornication」にはやはり聖書関連で「偶像崇拝」という意味もあるんですね。これまた興味深い!
自分の作った言葉でこんな風に世界中で多様な解釈をされていることは、まさにアンソニーの望むところでしょうね〜〜。
もうひとつ面白いことが。exciteの英文翻訳サービスを使うと「Californication」って何故か「景観破壊」と訳されるんですよ。使えない翻訳ツールのくせしていいとこ突いてるでしょ(笑)。
…いやその、なんというか要するにどういう意味にとるかは受け手側の自由だ、という事が分かったし、B坊さんのコメントを読んだ後で、ぼくから付け加える事は特にない。十分だと思う。ただ、フリーが日本についてよく「西洋のイミテーションだ」ときつい事を言うことや、あと「Californication」と、時節柄特に取り沙汰される事が多い「グローバリズム」との類似性、関連性についても思い及んだ事を述べておく。それとCBのインタヴュー中「実際のところ、この歌は“死んでる”ことを歌ってるんだ」と語っている点には、かなり引っかかった。引き続き考えてみたい。
Tacumaruさん、B坊さんのお二方には心からお礼を申し上げる。本当にありがとう。
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(後記)
その後、ある方からメールで「Californication」=「景観破壊」との指摘をいただいた。上でB坊さんがおっしゃっておられるようにexciteの翻訳サーヴィスを使うとそう訳されるとの事だった。それがきっかけとなって調べてみたのだが、なんとmine-Dの持っている辞書にしっかりその単語が掲載されていたのだ。
研究社「リーダーズ英和辞典」第1版から引用すると、「Californicate,Californiate vt. 《都市化によって》〔州など〕の景観をそこなう。Californication n.」とある。灯台もと暗しとはこの事か。アンソニーの「造語」発言を先に見ていたため、まさか載っているとは思わなかったのだ。そう考えると、アンソニー自身もこの言葉を知らなかったのか、あるいは知っていてわざと新語・造語発言をしていたかのどちらか、という事になる。うーむ…。謎だ。どなたか情報をお持ちの方は、ぜひお寄せいただきたい。
個別リンク:http://www.mine-d.com/article/archives/2004/06/the_meaning_of.html|↑