Show Reports
Red Hot Chili Peppers/2011年8月13日・サマーソニック・舞洲特設会場
最初に言っておくと、以下に述べるmine-Dのライヴ評は、フェアではない。
まず、フジロックにもウドーフェスにも参加したことがないmine-Dにとって、フェスでRHCPのライヴを見るのは、今回が初めてである。そのため、他バンドのファンがいるフェスという場所では、今ひとつ集中して見ることができなかった点を差し引いておくべきだろう。
次にアルバムが出る前のライヴという点も、フェアなライヴ評の観点からするとマイナスだと言える。アルバムをがっつり聴いて、完全に覚えてしまい、それがライヴでどのように表現されるかを確かめる…というのが通常のツアーライヴへの向き合い方であるため、今回のように完成形がはっきりしない中で少しずつ新曲を披露される(マギーは除く)というのは、なんとも中途半端な印象になってしまった。ペッティングの最中に漏れてしまうカウパー氏線液のように、新曲をちょろちょろ出されても困ってしまうのです、正直な話。そもそもなぜ8月の終わりまでリリースを引っ張らなければならないのかよく分からない。
そして(これが今回最大の障害であったが)、アンソニーのヒゲである。もう、何?なんていうか生理的にダメなの。いやいや冗談ではないのである。あまり好きなファンは少ないと思うがmine-Dの場合特にヒゲがダメで、初回のフジロックの映像もいまだに違和感を覚えるし、なにか知らない人がステージに立っているような感じを受けるのだ。今回も、ただでさえ右側の景色に慣れないといけないのに、真ん中手前まで見知らぬ風景だと、もう視覚情報を処理しきれないの。補正きかないの。脳が。だからその辺も差し引いて考えないといけないのである。
以上の注意点を踏まえていただいた上で、今回のライヴを振り返ってみると、今までみた中でもっとも入り込めないライヴだった。選曲的にはオーソドックスで親しみやすい曲ばかりだったが、意外性に欠けると思うし、香港のセットリストと変わり映えがしない内容だと感じた。
ジョシュは、今回見ただけでは判断できないと思うので保留するが、今の5倍くらい前に出て(つまり自己主張して)ちょうどいいくらいだと思う。もっとも、この「自己主張しない自己主張」が、プレイスタイル、ステージングに共通する、かなり独特なジョシュなりの存在感だと想像しているので、単にジョンと比べてもっと前に出ろとかソロで主張しろとかいう注文は、的外れである可能性は高いと思っている。まだ真価は見えていないはずだ。少なくとも役不足という印象はまったく受けなかった。
ツアーが始まったばかりで、まだ本調子になっていないのかもしれないが、フリーのMCがことごとくすべっているのが気になった。もういいかげん日本の客に英語で通じるのは「We love you」までだと学んでほしいと思うが、今回も長々と英語でMCをやり、それが曲へ入る前振りになっていたり、ジョークであったりするのだが、すべて客からはスルーされてしまい、何度も空気が凍っていた。正直、フリーがしゃべってこれだけ客からの反応がなかったのは見たことがない。
演奏的には、パーカッショニストも入って面白いサウンドになっていたと思うし、不満はない。かといってずば抜けてよかったかというとそんなことはなく、まあ及第点という程度ではあった。悪くはないが、よくもないという、なんとも締まりのない感想で申し訳ないが、これが正直な気持ちである。
なんというか総合的に、色んなことが中途半端なタイミングで、心の準備が整わないまま本番を迎えてしまったというイメージなのだ。今ひとつうまく表現できないのだが、なんとなく違和感があったので、その正体は、引き続き追求したいと思っている。
冒頭で述べたように、差し引いて考えるべき要素はとても多いし、そもそもミーハーなファンなので、バンドメンバーの姿を(スクリーン越しにせよ)見られただけで大満足ではあるのだ。あくまでファンサイト管理人としての厳しい目で見ているということは、言うまでもないが指摘しておきたい。今回のライヴは判断保留にして、通常のアルバム・リリース・ツアーに期待したい。その前に、まずはアルバムを早く聴きたいと思っている。
個別リンク:http://www.mine-d.com/article/archives/summersonic_rhcp_2011.html|↑