ダイヤモンド社
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「経済人の終わり」に続いてドラッカーの「断絶の時代」を借りてきて読んでいます。あいかわらず軸がぶれないというか、初の著作から亡くなるまで、一貫して主張している事は変わってないんでしょうね、ドラッカーの場合。オリジナル版が発行されたのは1969年だそうですが、グローバル社会の到来や組織のマネジメントの重要性など、その慧眼ぶりには改めて驚かされました。「3年前に書かれた」と言われても信じてしまいそうなくらい。特にIT(という言葉も当時はなかったのですが)に関する洞察あたりも非常にエキサイティングなのですが、基軸通貨に関する記述が、まさに今アメリカが陥っている問題を予言していたとしか思えないものがあります。ちょっと長いですが引用してみます。
基軸通貨制とは、一国の通貨をグローバル経済全体の通貨とするものである。だが、すでにリカードが国内通貨について指摘したように、二つの機能は両立しえない。いかなる手品によっても、両者を調和させることはできない。リカードの時代には、各国の国内で複数の銀行が紙幣を発行していた。
グローバル経済の発展は、通貨と金融の増大を要求する。つまり、基軸通貨すなわち米ドルの供給が、つねに増大しなければならないということである。グローバル経済が発展すれば、アメリカの国際収支は、それだけ赤字にならざるをえない。さもなければ、流動性の危機、すなわち貿易のための通貨と金融の不足が世界経済を窒息させる。そのようなことは続きえない。やがて機能しなくなる。
第一に、いかなる国といえども、他の国の通貨を受け取り続けることはない。遅かれ早かれ、基軸通貨国が財政を立て直し、国際収支を改善することを要求する。だがそのことは、グローバル経済への通貨供給の削減を意味する。すなわち、グローバル経済が発展すれば、世界的なデフレとなる。発展すればするほど危険も大きくなる。
第二に、基軸通貨国自体にとっても耐えがたい脅威である。基軸通貨制は、他の国がその通貨を受け取ってくれる間しか機能しない。いつでも自国通貨に交換できると考えてくれている間しか機能しない。したがって、グローバル経済が順調であれば、基軸通貨国自身にとっての通貨危機の危険が出てくる。自らの通貨金融システム崩壊の危険が生ずる。
(84~85P)
今アメリカで起こっている問題を、40年前にあっさり指摘しているんですね。びっくりしました。40年かかってドラッカーの正しさが証明されつつある過程なんでしょうね、今は。
基軸通貨の問題に対処するためには世界通貨を作るしかないと、博士はこの著作で述べていますが、政治的な問題もあって難しいとも述べています。どうなるのかは分かりませんが、今後数年でドルが暴落した後で、そういう話も現実的になってくる可能性もあるかもしれません。
まだ途中までしか読んでないんですが、ベストセラーとなっただけあって非常に内容の濃い、充実した一冊だと感じます。ぜひご一読を。
