仕事で仕入の担当をやっていて、積極的にコスト削減に努めているつもりでいます。前任者は仕入製品の知識があまりなかったのか、誰でも知っているような一部上場会社から購入していたので、それを地元の中小企業から購入するように変えたり、あるいは内製化できるところはしたり、さらに安い業者さんをネットで探したり、色々やってきて、けっこう削減してきました。いわゆる「最適化」というヤツですね。
このご時世で上からの「さらに削減しろ」圧力が増してきている状況なんですが、あまり筋がいいとは思えないですね。上の姿勢としては「とにかく下げろ」「1円でも下げろ」といった硬直的なもの。やり方は、ひたすら出入りの業者さんを叩くというものです。おそらくこういう考え方をする経営層ってこれを読んでいるあなたの周りにもけっこういると思うんです。本当にびっくりするくらい「業者を叩けばいい」と思ってる人が多いんですよね。「仕入れ価格においては厳しく対処していく」みたいな事言って。創造性のカケラもない。
でも、現場の事情を知らない人が一面的にこういうやり方を進めるとろくな事がないですよ。例えばそれを作れる業者そのものが少ない、マーケットが小さい製品などがある訳です。具体的に言うと中綴じ製本を安く仕上げてくれる印刷会社は多いですが、ページ数の多い無線綴じに対応している業者さんは、かなり数が限られます。オンラインで、対面なしでやっているところはほとんどないでしょう(あったら教えてください。仕事依頼したいので)。
それなのに、こういう業者さんとの取引でも価格を叩くよう、プレッシャーをかけてきたりするんです。あるいは私の担当ではない分野では、日常的にそういう買いたたきが起きているかもしれない。業者をいじめて価格を下げれば、短期においては得をするかもしれない。でも、極端な話、業者さんに赤字が続出して倒産してしまったら、今まで2社あったのが1社だけになってしまう。そうすると残った1社には価格支配力がつきますから、けっきょくコストアップになります。こういう仕組みを理解しないまま、物事を進めようとしている人がけっこう多いんですよね。
近視眼的かつ短期的な利益のみを追求するのではなく、総合的かつ長期的な視点であたらなければ、コスト削減戦略は失敗すると思います。とりあえず現場の言う事聴いてみましょうね>経営層の方。
