Freaky Styley('85)
Jungle Man/Hollywood(Africa)/American Ghost Dance/If You Want Me To Stay/Nevermind/Freaky Styley/Blackeyed Blonde/The Brothers Cup/Battle Ship/Lovin' And Touchin'/Catholic School Girls Rule/Sex Rap/Thirty Dirty Birds/Yertle The Turtle前作での失敗を挽回すべく、プロデューサーにRHCPの敬愛するP-Funkの総帥、ジョージ・クリントンを迎えて制作された2作目のオリジナル・アルバム。
残念ながらこのアルバムでも、前作に続いてサウンドプロダクション面での問題が大きい。全体的に音がモコモコしてこもっている感じだし、なによりの難点はギターの音だ。ここでも、前作で見られたようなニューウェイヴぽいシャリシャリした音が展開されていて、ガツンとくるようなハードさが感じられない。
初期RHCPサウンドを強引に一言で表してしまうと、「パンクとファンクの融合」と言えると思う。ジョージ・クリントンは優れたファンクミュージックのプロデューサーだが、この時点でのRHCPの魅力を正確に把握し、彼らの持っていたパンク面の奔放さ、面白さを引き出すことに成功しているとは言い難い。特に「Blackeyed Blonde」「Catholic School Girls Rule」「Sex Rap」といった「速い」曲群は、迫力がないし、曲本来の持ち味が活かされているとは感じられないのだ。
その反面、さすがジョージ・クリントンだけあってアルバム中で実現されているグルーヴ感はなかなかのものであり(特に「American Ghost Dance」、「Hollywood(Africa)」、「Yertle The Turtle」を挙げたい)、全体的にブラックミュージックらしい渋みを醸し出すことに成功している。ファンクテイストのホーンの導入もすんなりハマっているように思う。
収録されている楽曲は、けっして出来の悪いものではない。ライヴでは(アンコールを除く)ラストで演奏されていた「Nevermind」(ちなみにオープニング曲はファーストに収録されている「Out In L.A.」で、このオープニング&ラストのフォーマットはかなり長い間=「Blood Sugar Sex Magik」ツアーで崩されるまで、維持されていたようだ)、こちらもライヴでの定番「Hollywood(Africa)」、2000年初頭の来日公演でも演奏されていた「Blackeyed Blonde」など、なかなかの粒ぞろいなのだが、それだけにサウンドプロダクション的問題が足を引っぱっているのは惜しい。
もっとも、前作と共通して言えることかもしれないが、今だからこういう批判ができこそすれ、アルバムの発表された1985年当時はRHCPのような音楽性を持つバンド、アーティストなどシーンのどこにも存在しなかったのだ。プロデューサーがRHCPの持ち味を的確に把握できなかったのも、あるいは致し方ない、と言えるのかもしれない。
アルバム中の「Nevermind」に列挙されている、当時のRHCPが打倒すべき対象として挙げているアーティストの名前を見てほしい。デュラン・デュラン、メン・アット・ワーク、ホール&オーツ、ジョージ・マイケル…若い人は聞いたこともない名前かもしれないが、80年代前半のメジャーシーンを席巻していた面々だ。今になってみてみると、なぜRHCPがわざわざこんなベタな「大衆ロック」を闘う相手に選んでいたのか理解に苦しむくらいなのだが、今の状況からは想像できないくらい、当時のロックシーンというのは保守的で甘ったるい音楽が支配していて、今でいう「オルタナティヴ」な音楽など存在しないも同然だった、ということなのだ。
まさに「早すぎた」音楽性ゆえの悲運だとも言えるが、とにかくRHCPが彼ら本来の持ち味を発揮するには、次の「The Uplift Mofo Party Plan」の完成を待たなければならなかった、ということだ。
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